成長の定義

経営

成長とは何かと聞かれて、すぐに答えられるだろうか

成長していますか。
そう聞かれると、多くの人が一瞬言葉に詰まる。

売上が伸びた。
評価が上がった。
役職が変わった。

どれも分かりやすい指標だが、
どこか腑に落ちきらない感覚も残る。

成長とは、数字で測れるものだけなのか。
最近、そんな問いが自分の中で強くなっている。


人と近い距離で働いてきた日々を振り返って

これまでの仕事を振り返ると、
人と近い距離で関わる場面が圧倒的に多かった。

営業として現場に立ち、
一人ひとりと向き合い、
その場での反応や感情を感じ取りながら動く。

ミクロな世界では、確かな手応えがある。
目の前の人を動かし、納得してもらい、成果につなげる。

ただ同時に、ある限界も見えてきた。
自分一人が動ける範囲は、思っている以上に狭いという事実だ。


マクロな視点に立ったとき、見えた違和感

本部に来てから、視点が一気に引き上げられた。
個人ではなく、組織。
目の前の一人ではなく、多くの人。

仕組みを考える。
全体を最適化する。
影響範囲は確かに広がった。

その一方で、新しい難しさに直面した。
アウトプットが定型化され、
フレームの中で話すことが増えていった。

分かりやすい。
けれど、心が動いているのかは分からない。


数字で測れない世界で、何を根拠にするのか

マクロな仕事では、
定量的な物差しが使えない場面が多い。

正解が一つではない。
評価軸も複数ある。
ときには明確な答えが存在しない。

その中で求められるのは、
取捨選択し、理由をつけ、納得してもらう力だった。

なぜこれを選ぶのか。
なぜ今なのか。
なぜ他ではないのか。

言語化能力と、説明責任。
ここに、これまでとは違う種類の成長があると感じた。


昔、教師になりたいと思っていた理由

ふと、昔の記憶がよみがえった。
教師になりたいと思っていた頃の自分。

人に何かを伝えること。
理解した瞬間の表情を見ること。
心が動く場に立ち会うこと。

自分は、人を感動させることや、
影響を与えることが好きだったのだと思う。

本部に来て気づいたのは、
より多くの人に影響を与えるには、
感情だけでは足りないという現実だった。


成長とは、材料を集め、翻訳できるようになること

今、思う成長の定義はこうだ。

定量的な数字と、
定性的な経験や想い。

その両方を材料として持ち、
相手に合わせて翻訳できるようになること。

感覚を、言葉にする。
主観を、理由に変える。
個人の経験を、再現性のある示唆にする。

それができたとき、
影響力は一気に広がる。


これからの自分が目指したい成長

これからは、
ただ仕組みを作るだけではなく、
なぜそれが必要なのかを語れる人でいたい。

数字と物語の両方を持ち、
多くの人が納得できる理由を提示できる存在になる。

それは、
かつて憧れた教師像とも、どこか重なっている。


読者への余白として

成長は、肩書きや評価だけでは測れない。
どれだけ多くの人の視点を動かせたか。
どれだけ深く、物事を言語化できるようになったか。

もし今、
自分の成長が分からなくなっているなら、
影響の届く範囲と、その伝え方を見直してみてほしい。

成長とは、
できることが増えることではなく、
意味を伝えられる範囲が広がることなのかもしれない。

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